英検1級の難易度は?
一般の方向けの説明
英検2級までは、とても簡単で、高校生でも(ほんの2%ですが)合格するレベルです。 しかし、英検1級は、2級とは比較にならないほど遥かに難しい。 論理的で教養が問われるライティング力や、日本語でも答えるのに苦労するテーマについて語れる英語スピーチ力が要求されるからです。
東大合格程度の英語力では、英検1級は受かりません。 逆に、英検1級に合格した方なら、誰でも東大の英語入試は楽にクリアできます。
英検1級でも色々なレベルの人がいるでしょうが、英字新聞ぐらいは辞書なしで楽に読めるはずです。 昔は英検1級の合格率は3%でしたが、今は10%ぐらい合格します。 ですから、1級合格者の中にも多少のレベル差はあると思います。 それでも、英検1級合格者はそれなりの実力を有する英語上級者と考えても良いでしょう。
2016年4月4日に文科省より発表された教員に対する英語力達成目標は準1級です。 福島県の中学教員の16.6%が準1級同等レベルと判定されています。
同等レベルですから準1級に合格した人ばかりではないようです。 一般的に言えば、準1級に合格していれば、一応英語が堪能な人と言えるかもしれません? ただ、準1級レベルでは、英検1級には遥かに及ばないです。 特に語彙力、ライティング力やスピーキング力が全く違います。
英語に関心のある方やTOEIC受験経験者向けの説明
語学の国際標準規格であるCEFR(セファール)によると、
(英検1級合格レベルは、TOEICでいうと954点~990点に換算できる)
ただし、英検1級合格者がTOEIC900点台後半は取れても、TOEIC900点台後半を取れている人が英検1級に合格するのは難しいです。
では、英検1級とTOEIC試験のどこが違うのか?
☆ TOEICでは、英語自体は簡単ですが、短時間で大量の問題を解く情報処理能力が問われています。
☆ 英検1級では、
①TOEICよりも遥かに高い語彙力、
②論理的に話を展開する正確な表現力を必要とするライティング力、
③幅広い知識が要求され、少し専門性の高いトピックスについて論理的に自分の意見を述べられるスピーキング力、
などが要求されています。
☆ TOEIC試験では、言語の4技能(読み・書き・話す・聞く)のなかの2つ(読み・聞く)だけしか試験されません。 つまり、ライティングやスピーキングの試験問題がありませんので、「書く能力」や「話す能力」を推し量ることができません。 そこがTOEICの弱点です。
☆ 実際、TOEIC試験でアメリカンクラブ卒業生が950点台や970点台を取っていますが、英検1級には合格していません。
☆ 英検1級では、幅広い知識や正確な日本語力も必要ですから、帰国子女でも合格するのは難しいです。 また、海外留学経験者の英語レベルもピンからキリまでありまして、英検1級合格レベルの人はほんの一握りしかいないというのが実情です。
(参考:ネットの英検1級の難易度とは?恐怖の真実)
英語力と教授力
英語力が高ければ良い教師とは一概には言えません。 英検2級レベルの学校教師でも、英語が好きで、その楽しさを教えられる先生は良い先生です。
英語力が高くて経験豊富な教師が一番良いのですが、普通レベルの大学生でも中学レベルは一応教えることは出来ます。 しかし、それでは先の伸びが望めないという側面もあります。 それでも、大学に進学しない生徒でしたら、あまり問題は起こらないでしょう?
ただし、学年が上がれば上がるほど、英語レベルの高い教師に習ったほうが良いということは知っておいたほうがよいと思います。 と言いますのも、高校生レベルの生徒ですと、教師の英語レベルによって伸び方(実力)が全く違ってくるからです。
2016年(平成28年度)に文科省が公表した都道府県別英語力調査によりますと、福島県の高校英語教師のレベルは47都道府県で下から2番目、福島県の高校生の英語レベルは下から3番目です。
これを見ても、ある程度、教師の英語力と生徒の英語力には関係があると考えられます。
ちなみに、高校教師の英語レベルが47都道府県で1番だったのは福井県です。 福井県の生徒(高校生)の英語レベルも47都道府県で3番でした。
やはり、教師の英語力と生徒の英語力には因果関係が認められますね。
(参考:2016年(平成28年)4月5日の読売新聞)